ルーマニア旅行2005 8月27日

Last Update 2007/09/05

5日目、行動開始[Web拍手]

 6時30分起床。
 昨夜は散々だったと思いながら7時15分頃朝食へ。
 準備がまだ終わっていなかったのでレストランのテラスをうろついていたら、ドイツ人観光客に「Guten Morgen~」と声を掛けられ、咄嗟に反応できず挙動不審になる私は大学の第2外国語がドイツ語でした。ううっ……。
 本日の朝食はシリアル。ルーマニアに来てからというものの、昼と夜はがっつり肉食なのでこういう軽い朝食はありがたいです。

 朝食の前後、ホテル前には朝の散歩をしている観光客が結構な数いました。
ドラキュラホテル出発

ドラキュラホテル記念判子  荷物をまとめて8時15分ホテル出発。
 ドラキュラホテルの謎サービスに「パスポートへの記念判子」があります。
 知ったのは前日の夕食時。ランチョンマットとして敷かれていた紙に「パスポートに判子押します」という内容の文章が書いてありました。
 折角なんだし押してもらうかとチェックアウト時にアディ経由でフロントの人に頼んで押してもらいました。

 駐車場に向かってトランクをガラガラ押しつつアディに昨夜の出来事を話してみると……
「昨夜はずっとK-1見て夜更かししてたよ! HAHAHA!」
という陽気な返事が。まぁ待て今日も長距離移動ですよ? 1日運転しっぱなしなのに、しかもきっとまた超高速なのに、寝なくていいんですかアディ。
「泥棒が出たって話は聞いてないよ。だからきっとそれはGhostだね!」
 そんな面白がらないでくださいorz

見事な朝靄 うっすらと浮かび上がる人影……?  車に荷物を積み込みいざ出発。
 ここは雲海の上かと思いました。
「最近ずっと大雨だったから地面が湿っていて朝靄が凄いんだよ」
 とアディに説明されましたがそれにしてもこれは見事。見事すぎて前が見えません。
 でも気にせず車を飛ばすアディ。慣れたものです。

ブコヴィナ、修道院群へ[Web拍手]

 いつしか朝靄の中を通り過ぎ、9時40分頃、修道院群があるブコヴィナに到着。
 ルーマニア旅行を計画し始めた当初は特にここを訪れたいという希望はありませんでした。勿論世界遺産として有名な場所なのはわかっていたのですが、7泊9日という限られた日程の中でヴラド公やドラキュラ関連の場所を見て回るとなると、省けるところは省くしか! という考え方だったわけで。
 ただ、旅行会社から大プッシュがあったのと、行きたい場所を並べてみたらルーマニアを楕円形にぐるりと回る形で縦断するルートになったため、移動時間やら何やらを考えると結局見ても問題ないというスケジュールに。それならばルーマニア観光最大のハイライトとまで旅行会社に言われた修道院群です、行かない理由はありません。

モルドヴィッツァ修道院[Web拍手]

モルドヴィッツァ修道院 モルドヴィッツァ修道院:セラフィム モルドヴィッツァ修道院:ケルビム  10時5分モルドヴィツァ修道院に到着。
 ルーマニアに来る前にNHKの「探検ロマン 世界遺産」で丁度放送されていたのを見てはいたものの、実物は圧巻でした。
 修道院を覆う壁画はところどころ風化してはいるものの、鮮やかな色彩を見事に留めています。
 この壁画は文字が読めず、自力では聖書を読むことのできない人のために描かれたものだそうで、聖書に出てくる有名なシーンが多いです。エッサイの樹(系統樹)や天国への梯子、最後の審判といったものが壁一面に描かれています。
 セラフィムやケルビムの絵もありましたが、日本人がぱっと思い浮かべる天使の姿とは似ても似つかぬ、旧約聖書の記述通りのお姿でした。

モルドヴィッツァ修道院:内部  修道院の内部もかなり豪華で、2日目に行ったクルテア・デ・アルジェシュの教会を思い出しました。
 そんなにゆっくり見ていたつもりはなかったのですが、初めて見るフレスコ画に思いの外時間が経つのが早かったようで、モルドヴィツァ修道院を出る時には11時になっていました。
 内部は撮影不可とのことですが、アディの顔パスなのか撮らせてもらえました。

スチェヴィツァ修道院[Web拍手]

スチェヴィツァ修道院 スチェヴィツァ修道院:天国への梯子 スチェヴィツァ修道院:内部  11時30分、スチェヴィツァ修道院に到着。
 アディに「あそこに描いてあるのはアベルとカイン」などと説明されつつ同じ様に修道院を見て回りました。
 ここも内部は撮影不可だったのですが、アディが係りの人に掛け合ってくれてフラッシュ無しで少しならと許可が。ひっそりこっそり2枚だけ撮らせてもらえいました。
 12時5分、修道院を出発。内部の写真をあまり撮らなかった分時間短縮……?

ルーマニアまで来て……[Web拍手]

 移動中の車の中、相棒が突然何やら思いだした様子。何かと思えば「週チャンの発売日忘れてた!」ですって。ルーマニアまで来て週刊少年チャンピオンの心配とは。
 結局家族にショートメールを送って確保を頼みました。とことんヲタな夫婦です。

ラダウチで昼食[Web拍手]

 スチェヴィツァ修道院を出た後はアディに連れられラダウチという町まで昼食へ。
 アディの知り合いがやっているというイタリアン・レストラン「ORSO BRUNO」です。
 ピザやらラザニアやらスパゲティやらを頼んで食べていると店長さんがやってきて、一緒のテーブルでお喋りタイムに。最後には店長さんの奥さんまでもが現れました。
 そんな食事中にちょっとしたハプニング。
 相棒が頼んだスパゲティの中に小さなガラスの破片が紛れ込んでいたのです。運悪くガリッとかじってしまった相棒。店長さんが厨房まで調べに行ってくれましたが、厨房で破損した物は何も無いとのこと。
ブルーベリーのお酒  何かの材料に紛れ込んでいたのかも……と、お詫びにブルーベリーのお酒を振舞ってくれました。
 これが激ウマ。
 下戸で普段は自発的にお酒は飲まない&お酒が美味いと言うことは滅多に無い相棒が美味い美味いと連発し、アディに「お土産に買ってく?」と聞かれて「Yes!」と即答した程です。
 デザートのティラミスも文句無く素晴らしい味。これまで食べたティラミスの中で多分一番の美味しさです。
 ハプニング以外は言うこと無しの昼食でした。

 食事以外で印象的だったのが、隣のテーブルに座っていたルーマニア美人のお姉さん達。
 大きなピザを1人1枚は軽く食べているんですよ。あの細い身体のどこにあの大量のピザが入るのか気になって仕方ありませんでした……。

 前述のブルーベリーのお酒はラダウチ周辺でしかほとんど手に入らないものだそうで、昼食の後はそのお酒探しに奔走することに。
 食料品店を2軒梯子して自分達の分以外に実家の分まで買って、大層ご満悦な相棒でした。

セラミック工房[Web拍手]

セラミック工房  14時頃ラダウチを出発し、14時20分、次の修道院……ではなくセラミック工房へ。
 観光客向けのお土産コーナー以外に、実際に作業中の工房も解放されていて、ろくろを回しているところや陶器に模様を描いているところを間近で見学する事ができました。
 陶器というと白や茶色のイメージが強かったのですが、ここの陶器は全部黒。とにかく真っ黒。
 せっかくなので10cmくらいの小さなお面をお土産に買いました。丁度V:tMのノスフェラトゥのクランシンボルみたいだったので。って、そんな理由でお土産を選んでいる自分をちょっと反省。
 20分程過ごした後、次の目的地アルボーレ修道院へ出発。

 このセラミック工房では思わぬ再会がありました。
 ドラキュラホテルのドイツ人御一行様がここにも来ていたのです。やっぱり観光ルートって似通っているのですね。
 そしてアディはそのツアーコンダクターともお友達でした。どれだけ人脈があるのか本当に謎な人です。

アルボーレ修道院[Web拍手]

アルボーレ修道院 アルボーレ修道院  セラミック工房を出た後は一路アルボーレ修道院へ。途中、「こっちの道が近道!」とアディが車を砂利道に突入させました。まともな道で行くより30分以上早いんだとか。
 確かに一つ先の交差点云々以前に、地平線が見えていたりするんだから、たかが近道されど近道なんでしょう。
 15時5分、アルボーレ修道院に到着。
 ここはモルドヴィツァとスチェヴィツァよりも壁画の損傷が激しく、色落ちどころか漆喰ごと崩落している部分も。綺麗に残っているところはとても綺麗ですが。
 内部も似たような状態で、今まさに修復工事中って感じに足場が組まれていました。

アルボーレ修道院前:鐘楼からの眺め アルボーレ修道院前:荷馬車  修道院入り口の鐘楼にも登れるようになっていたので登ってみました。眺めは最高です。でも鳩の糞が酷かったので頭上には要注意。
 だいたい30分程の見学で次の目的地、フモール修道院へと出発しました。

フモール修道院[Web拍手]

フモール修道院:塔 フモール修道院:塔の中 フモール修道院:塔からの眺め  16時20分、フモール修道院に到着。
 修道院の敷地内にそこそこな高さの塔が。見張り塔だったのでしょうか。ここも見学可能だったので登ってみる事に。アディはお留守番を申し出て下で待機。
 最初こそ普通だったものの、上がれば上がるほど階段は急角度に、しかも狭くなっていきます。角度も狭さも尋常ではなく、途中から段差は30cmを超え、幅は相棒の肩幅より狭くなっていました。もう最後はカニ歩きです。なるほどアディが登らないわけだ。
 塔の最上階は外側がぐるりと木製の展望台になっていて……床の木の板に隙間が。地面が見えました、地面が。遠くを眺める分には素敵な景色なんですが。
 眼下を見下ろせばベンチで休憩中のアディが修道女とお喋り中(?)でした。
 フレスコ画も勿論綺麗だったのですが、かなり保存状態は悪かったと思います。
 やはりここも30分程度の見学で次の目的地ヴォロネツ修道院へと出発。 フモール修道院 フモール修道院 フモール修道院

ヴォロネツ修道院[Web拍手]

ヴォロネツ修道院 ヴォロネツ修道院 ヴォロネツ修道院  17時20分、ヴォロネツ修道院に到着。
 この修道院だけ、他の修道院と大きく違っている特長が。普通の修道院は必ず西側に出入り口があります。そして修道院群のフレスコ画はその西側の入り口周辺に最後の審判の絵が描かれています。
 が、ヴォロネツ修道院だけは、西側に入り口はなく少しずれた南側にありました。そして入り口があるはずの西側は一面全てを使って最後の審判の絵が。この絵のために入り口をずらしたらしいです。
 最後の審判の絵の前にはロープが張られていて、フレスコ画自体には近づけないようになっていましたが、きちんと記念撮影スペースは確保されていて、順番待ち状態でした。
 風景&建物写真ばっかり撮っていた私もさすがにここではアディに頼んで記念撮影しました。本当だったら他のところでも夫婦で写るべきなんですけども。

ヴォロネツ修道院前土産屋広場?  ヴォロネツ修道院の敷地前、駐車場の側は土産屋広場になっていて、民族衣装や小物など沢山の商品が並べられていました。
 そして、広場でお土産を選んでいたら、背後を牛が歩いていきました。ルーマニアの飼い牛って飼い主無しでふらふら散歩しているので、結構吃驚します。

グラ・フモールで一泊[Web拍手]

トキトゥラ(目玉焼きの下の黄色いのがママリガ(ポレンタ))  土産物を確保した後は近くの街グラ・フモールへ。
 18時20分頃ホテルに到着。本日の宿泊は予定を変更してBest Western Bucovinaです。
 ホテルの駐車場には結婚式があるのか、後部に大量の缶を付けて派手な飾り付けをした車が。映像としては良く見ますが、実物を見たのは初めてです。
 18時45分、アディと合流して,近くのホテルのレストランで夕食。
 相棒は「ポレンタはもう飽きたっ!」と言いながら、ルーマニアの伝統料理トキトゥラを頼み、また付け合せのポレンタを食べていました。そこまでして肉が食べたいとは。
 私はもう胃が限界に達していたので、キャベツサラダで終了でした。

 丁度この頃、日本ではモルドヴァ出身のバンド「O-ZONE」の「恋のマイアヒ」※1が大流行中。
 我々はそのモルドヴァにいるんだなぁ。
 アディ、今日本ではDragostea Din Teiが大流行してるんだよ。
「あのクレイジーなPVの!? もう解散してるよ!?」
 本当に流行してるんです、着メロになるくらいに。
 相棒の携帯に入っていた着メロを聞かせたら、納得したような腑に落ちないような微妙な反応をしていたアディでした。

 アディとは食事の度に割といろいろ雑談していましたが、ここで「いつ結婚したの?」という話の流れに。
 2004年の12月に入籍で2005年の1月に結婚式で、この旅行(2005年の8月)がハネムーン。と答えたら。
「ハネムーン? ハネムーン!?」
 と何回も聞き直されました。
Best Western Bucovina  確か1回旅行会社へのメールに新婚旅行だって書いたはずなんだけど、そうか、知らなかったのかアディ。すみません、全く新婚旅行っぽくない夫婦で。
 指令書からしてDracula's Historyじゃ、新婚旅行とは思わないよね……。

 夕食後ホテルに戻ると結婚式(披露宴?)の真っ最中でした。

 そして部屋でテレビをつけると、また日本のアニメが。どうもアニメ専門チャンネルがあるようで、そのチャンネルはずっとアニメでした。

  1. ※1 のまねこのアレ。