書斎

諸君、私はコルセットが好きだ

諸君 私はコルセットが好きだ
諸君 私はコルセットが好きだ
諸君 私はコルセットが大好きだ

バスクが好きだ
ボーンが好きだ
ガーターが好きだ
編み上げが好きだ
ショートタイプが好きだ
ワンピースタイプが好きだ
スリーインワンタイプが好きだ
アンダーバストタイプが好きだ
オーバーバストタイプが好きだ

寝室で 洗面所で
街中で 専門店で
結婚式で イベントで
控え室で 試着室で
SMクラブで ライブハウスで

この地上で締め上げられる ありとあらゆるコルセットが大好きだ

ぎっしりと編み込まれた紐が ぎゅうぎゅうと腰を締め上げていくのが好きだ
人には言えないウエストサイズが 締め上げ効果に一瞬でマイナス10cmになった時など心がおどる

完璧に作り上げたシルエットが 友人の度胆を抜くのが好きだ
コルセットの事などさっぱり知らない相手の前で
本当はちょっときつい服を余裕で着てやった時など胸がすくような気持ちだった

コルセットを締め慣れた者達が 締め付けなど存在しないかのように振舞っているのが好きだ
手に入れたばかりの初心者が 締め上げに手間取り 何度も何度も紐を引いている様など感動すら覚える

ちょっと興味を持ってしまった次の犠牲者を専門店に連れ込んだ時の様などはもうたまらない
バスクを留めた時点で弱音を上げる友人が 私の無責任なゴーサインとともに
にっこり微笑んだ店員に 思い切り締め上げられるのも最高だ

コルセットトレーニングを極め美しいウエストを手に入れた猛者達が
店舗にある一番小さいコルセットを緩いと言い放った時など絶頂すら覚える

自分の体型管理の甘さにコーディネートを滅茶苦茶にされるのが好きだ
フルクローズするはずだったコルセットが いつの間にか締まらなくなっているのは とてもとても悲しいものだ

カジュアルファッションに押し流されて殲滅されるのが好きだ
無邪気な子供に追いまわされ 見世物の様に後ろ指をさされるのは屈辱の極みだ


諸君 私はコルセットを 息の詰まる様なコルセットを望んでいる
諸君 私に付き従う戦友諸君
君達は一体 何を望んでいる?

更なるコルセットを望むか?
情け容赦のない マゾの様なコルセットを望むか?
緊縛の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 拷問の様なコルセットを望むか?

「 コルセット!! コルセット!! コルセット!! 」

よろしい ならばコルセットだ

我々は満身の力をこめて今まさに締め上げんとする編み紐だ
だがこの暗い闇の底で半世紀もの間 堪え続けてきた我々に ただのコルセットでは もはや足りない!!

コルセットを!! 一心不乱のコルセットを!!

我らはわずかに一個大隊 千人に満たぬ懐古主義者にすぎない
だが諸君は一騎当千の古強者だ と私は信仰している
ならば我らは 諸君と私で総兵力100万と1人のフェティッシュ集団となる

ウエストのくびれを忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている連中を叩き起こそう
髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう
連中にコルセットの感触を思い出させてやる
連中に我々の病的なシルエットを思い出させてやる

締め上げたコルセットには 奴らでは想像できない補正力があることを思い出させてやる

一千人のフェティッシュ集団で
世界を締め尽くしてやる

「コルセット好きより全コルセット愛用者へ」

目標 ファッション業界

第二次ヴィクトリアン作戦 状況を開始せよ
締めるぞ 諸君


 言わずと知れたHELLSING少佐の大演説のパロディ文。
 朝っぱらから友達とコルセット談義で盛り上がった時に、勢い余って1時間くらいで書いたブツ。何故か好評。