吸血鬼の手帖

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† TOKYOヴァンパイア・ナイト

この作品には年齢制限を必要とする要素が含まれている可能性があります。
作者:広岡未森
イラスト:ちにか
発売:KKベストセラーズ プレリュード文庫
初版:1999年06月01日
価格:562
頁数:263
 第2次世界大戦後、敗戦国日本は欧米列強によって、当時、強大な勢力を伸ばしていた吸血鬼たちに差し出されてしまう。50年後、吸血鬼に統治機構のすべてを支配された日本は世界から孤立し、日本人は支配階級から家畜と呼ばれていた。そんな闇の社会にも不可解な事件は起こる。それらを解決するために吸血政府は人間と吸血鬼のハーフ美少女アンブレラと、死神を自由に操る謎の美青年、焔烏月にその任務を与えた。しかし二人は…。
 闇の政府に雇われ、暗躍する人間の男と吸血鬼(ダンピールだが)の女。任務を成功させた二人は闇の王に謁見し…… と来れば吸血鬼小説好きならピンと来るのではないでしょうか? 一言で言うと『日本版ドラキュラ紀元』です。作者がそれを狙ったのかどうかはわかりませんが、読んで受ける印象はまさにキム・ニューマンの『ドラキュラ紀元』 (いや、これで狙ってなかったらすごいと思うのですが)
 まぁ『ドラキュラ紀元』程の重厚さはないものの、それなりに軽~く楽しめる内容でした。吸血鬼が好きなら知っている名前もちょろちょろと出てきていて(それがまた『ドラキュラ紀元』を連想させるけど(苦笑))そういった名称を見ているだけで、にやりとできますね。女主人公の武器が仕込み傘なのには笑いました。それで名前がアンブレラか!
 個人的には死神がツボ。「凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶」と笑い声を上げながら大鎌を振り回し吸血鬼相手に大殺戮を繰り広げる黒マントの骸骨死神。この1冊の中で一番インパクトのある登場人物は死神では。アンブレラよりも焔よりも、焔の操るこの使い魔のほうがキャラクターが生き生きしている。脇役の勝利?
 エロ有りなので成人向カテゴリに入れましたが、大してエロくないです。

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