吸血鬼の手帖

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† しずるさんと底無し密室たち

作者:上遠野浩平
イラスト:椋本夏夜
発売:富士見書房 富士見ミステリー文庫
初版:2004年12月15日
価格:540
頁数:243
「ねえしずるさん、密室ってなんなのかしら?」
「そうね、よーちゃん、それはきっと、どんなものでもごまかせると思い込んだ人間の、つまらない錯覚なんでしょうね――」
 白い病院にずっと入院中の少女と、その友人のこの二人は、今日も今日とて退屈しのぎに不思議な事件を追いかけています。
 それは人の血をすってミイラにしてしまう吸血植物の謎とか、七人の家族を皆殺しにしたという七枚のカードに秘められた呪いの秘密とか、死んだはずの人が祭りの中で同時に別々の場所で目撃される怪奇とか、鳥のように空飛ぶ怪人の話とか、奇妙奇天烈な怪事件ばかりです。
 しかもそれらは、全部“密室”の事件なのです――扉も壁も鍵も、部屋そのものさえないのに“密室”って? これらの不可思議な事件を、彼女たちはどうやって解き明かすのでしょうか――ひとりは病室から一歩も出ないのに?
収録
1.しずるさんと吸血植物
2.しずるさんと七倍の呪い
3.しずるさんと影法師
4.しぶるさんと凍結鳥人
 吸血鬼メインではありません。

 安楽椅子探偵タイプのミステリー。シリーズ第2作目。
 とはいえ、あまり謎解きメインではないです。

 ミステリーという時点で予想のつく通り、結局の所「吸血植物」というのも吸血そのものではないオチなんですが、結構楽しく読めました。
 女の子同士の友情……というか、ほんのり百合ちっくなのが好きならなお楽しめるかも。

 同じ作者の別シリーズとちょっと関連があるらしいですが、上遠野浩平作品は全然読んだことなかったり。

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