吸血鬼の手帖

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† 吸血の季節

作者:砂浦俊一
イラスト:kyo
発売:集英社 スーパーダッシュ文庫
初版:2007年05月30日
価格:571
頁数:271
「あなたから見て私は人間かしら、それとも吸血鬼?」
 殴られ屋の高校生・鳴沢燈は偶然、少女たちの吸血行為を目撃する。そのときを境に燈の前に次々と現れる正と負の境界線上の住人たち。
 吸血症(ヴァンパイアフィリア)の少女・朱実紗衣、血液の提供者・小見山鏡花、紗衣を狙う復讐鬼、逃亡するドラッグの売人、エイリアンハンドの怪人。
 閉じた燈の記憶と、紗衣の妹・亜矢の死の真相が明かされるとき、ひとつの季節が終わりを迎える――。
 読み始めて真っ先に頭に浮かんだフレーズ。
「これなんてエロゲ?」

 エロ描写は特にありませんがちょっと百合系なので、百合嫌いの人は避けた方が無難かも?

 吸血鬼は吸血鬼でも、いわゆるリアルヴァンパイア――血液嗜好症や吸血鬼への憧れ等、現実世界に実際にいる「吸血する人」――の話です。
 格好良い、強いetc.吸血鬼の出てくる作品は数あれど、最初から最後まで現実と非現実の境界線を越えずにリアルヴァンパイアを扱った作品は日本では少ない気がします。海外の作品ならパッと思い出せるものがあるんですが。積読の山の中に埋もれているだけかしら。
 そもそも日本だとあまりリアルヴァンパイアって見かけないか。mixiなんか覗くとコミュがあったりするけど、どこまで本気なのかわからない人がほとんどという印象で。海の向こうの人たちは人生捧げてそうな気迫があるからなぁ。

 殴られ屋がやたら強すぎて、その強さの理由があまり描写されていない(「ずっと格闘技をやっている」程度の説明しかない割に常人と比べて強すぎる)点がちょっと不満でしたが、それ以外は楽しく読めました。

 それにしても、携帯電話で原稿書いてるなんて、作者どんだけ器用なんだ……。

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