吸血鬼の手帖

吸血鬼の館††幻想館†† 管理人"悠貴"による吸血鬼関連作品感想手帖。
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† シオンの血族1 魔王ミコトと千の花嫁

作者:杉井光
イラスト:きみしま青
発売:一迅社 一迅社文庫
初版:2010年04月01日
価格:590
頁数:254
 AD2016、長く続く世界戦乱の渦中の、帝都東京。皇統を異形の敵から護る吸血鬼の家系“シオンの血族”が、そこで密かに息づいていた。
 その若き女当主、紫苑寺有葉のもとに、ある夜、ひとつの棺が運ばれる。かつて魔力の暴走を抑えるために封印された、有葉の弟、紫苑寺ミコト。
 封を解かれ、よみがえったその少年は――
「敵はみんなぶっ殺して女はみんな僕のものにするッ」
「ハーレムつくって、子供も一億人くらいつくって、地球上をの血族でいっぱいにするんだッ」
 ――凶暴、好色、残忍、色々やりすぎな魔王へと育っていた!
 超絶テンションで展開する“真性”ハーレム伝奇アクション、開幕。
 導入部分結構好みの文章で期待したけどやっぱり主要キャラの言動はラノベだったッ……。

 近未来の大日本帝国が舞台。世界は大規模な戦争状態に突入、その後均衡状態が長引いている状態。
 教会は狂信者っぽいし、ゲシュタポはいかにもなマッド系言動だし、アメリカはアメリカで脳筋な感じだし、読んでると「いいのかこれ」って気分になれます。
 そこまでわかりやすく記号化せんでも、って勢い。

 吸血鬼の設定もなぁ。
 吸血鬼が生まれた理由がドラキュリア(で分かる人には分かりますよね)なのは最後まで読んだら納得いったんですが。
 血の交換・浄化方法なんなのあれー。
 必然性が、必然性が感じられない……。ラノベに必然性求めるなってか。
 あとがきに書いてあった、「1章につき1回はエロいシーンを入れるので全部挿絵にしてください!」が全てを表しているよね。
 ちなみに挿絵は通勤電車で読むとちょっと辛いレベルです。読むけど。
 そうそう、あとがきといえば、メディアミックスで展開されるプロジェクトの第1弾と書いてありました。
 確実に続刊出るだろうな。どういう風に収拾つくんだろうこの話。


 世界設定とストーリーの幹の部分は嫌いじゃないです。
 むしろ好みです。
 ちょっと筆者に失礼な言い方になりますが、あえて言うと……この設定だったら菊地秀行の文章で読みたい。菊地節でやられたら許す。

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