吸血鬼の手帖

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† ヴぁんぷ! III

作者:成田良悟
イラスト:エナミカツミ
発売:メディアワークス 電撃文庫
初版:2005年08月25日
価格:630
頁数:419
【2ヶ月ぶりだね、日本の紳士淑女諸君! 今日は少々血生臭い話をするとしよう】
【復讐――そう、復讐の話だ。活劇から悲劇に至るまで、様々な物語に取り入れられる王道とも言うべき要素だよ】
【復讐は常に新たな復讐の芽を生む。様々な物語でよくそう言われるものだが……仮に、相手の親類縁者全て、さらにはそのまた縁者をも復讐の対象とし、全てを滅ぼし尽くす覚悟だとしたら? おそらく復讐の連鎖は止まるだろうが、その者に安らぎが訪れる事は無いだろう】
【そんな覚悟をしてしまった者は、この世界と――己自身にこそ復讐をしたいのだろうからね】
 そして、吸血鬼たちの時間が始まる――。
「スイカの名産地」と「スイカの吸血鬼」って響きが似てるよね。

 まさかスイカ玉がここまで活躍するキャラになるとは、1巻を読んだ時点では全く想像もしていませんでした。
 スイカの吸血鬼自体は吸血鬼(特に伝承系)好きの間だと割と通じるネタではあると思うんですが、あくまでもネタ止まりというか……ここまで大真面目にクローズアップした作品って他にあるんだろうか……。

 このハイテンションさをずっと維持できるって正直凄いと思います。
 キャラクターの誇張っぷりもここまで行くと見事。目指せ中二病で練りに練って練りすぎて突き抜けているとでも言いますか。
 スイカ吸血鬼ひとつとっても、きちんと設定を作ってその存在を定義してあったりと、真面目に書かれている部分があるわけで。
 そうなるとこのキャラの誇張っぷりは、わざとだろ! としか。
 脳内知識だけでやらずにちゃんと資料にあたっていそうだな~というのがところどころ透けて見えるので安心して読めます。(どこまで調べているのかはわかりませんが)
 大真面目にネタに走れる人間は大好きです。
 下調べした上でそれでもネタに全力疾走する人はもっと好きです。

 登場人物が無駄に多すぎて散漫とした印象は否めない。否めないけど、考えてみれば2&3巻は前後篇、実質シリーズ2作目、キャラの顔見世と思えば許せる範囲かなと。

 ぶっちゃけ楽しんだので何でもいいや的な。
 楽しいは正義。

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