吸血鬼の手帖

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† BLACK BLOOD BROTHERS 10 -銀刀出陣-

作者:あざの耕平
イラスト:草河遊也
発売:富士見書房 富士見ファンタジア文庫
初版:2009年04月25日
価格:720
頁数:457
 1997年。アリスやジローと共に香港に滞在するカーサは、リズと名乗る1人の吸血鬼と出会う。自分と同じ“混血児”のリズに衝撃を受けつつも、カーサは彼女にかつてない親愛の情を覚える。
 月下で蠢き始めた、新たな“脈動”。アリスとジロー、そしてカーサにとっての百年の夜が、静かに終わりを告げようとしていた。
 そして現在――2009年、シンガポール。各国の有力血族を迎えたミミコは、特区奪還の手応えを感じながら、待っていた。
 たった一振りの剣。ミミコにとってただ1人の吸血鬼を。
「……いつまで経っても、遅刻魔なんだから」
 すべての未来を賭けた『聖戦前夜』が、今、最後の幕を開ける…。
 最終巻が出てから2冊まとめて読もうかと思ったんですが、やっぱり気になって、ついつい読んでしまいました。

 前半は九龍側、後半はカンパニー側と1冊の中で割と綺麗にわかれています。
 ここにいたるまでずっと、昔あった出来事としてしか語られなかった香港聖戦。
 ついにその時代に焦点があてられた巻。

 一体香港聖戦で何があったのか? ここまで引っ張ってきてシリーズのクライマックスでようやく出してくるあたり上手いなぁ。
 しかも短編集の方にずっと出ていたCHRONICLEの締めくくりっぽい作りになっていて、やられたーって感じ。
 作者もあとがきで書いているけれど、オーソドックスな吸血鬼作品として主人公に据えるなら、黒蛇カーサの方が魅力的ですよね。
 ジローはジローで型破りさが魅力ですけど。
 両方好きですけど。

 賢者の名前と九龍王の名前ってやっぱり伏線だろうなぁ……。
 どう完結するのかものすごく気になります。こんなところで止めるなよー!
 二ヶ月連続刊行ということで、来月最終巻が出るのが救い。

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